俺の、俺の、俺の教義を聞け〜

私は真理を悟った。皆が賛同してくれたなら、教団を結成し、魂の救済を目指したいと思う。私の思索は、現代の科学が到達してしまった「神の不在」という結論から始まった。すなわち、不完全性定理(無矛盾で完全な系は存在しない)、不確定性定理(神は賽を投げないはずなのに宇宙はランダムだ)、そしてグリムの定理(無矛盾で完全な系が存在しないなら、全知全能で完全な存在であるはずの神も存在しない)だ。
しかし私の悟った真理は、不完全性定理、不確定性定理、グリムの定理は完全なる誤謬であると主張する。では、なぜそんなものが生まれて、パラダイムを形成しつつあるかというと、神が人間の信仰を試そうとしているからだ。神は、不完全性定理、不確定性定理、グリムの定理を導き出すように、観察や証明過程を操作している。
神は、その目的を果たすため、論理を感じる直感的知覚に直接操作を加えてしまっているので、我々人間は、論理的、数学的、科学的手法ではその誤謬に気付くことはできない。
これらの主張の根拠は、私が以前に開発した人間の知性を遥かに超えた「シンギュラリティ量子コンピューター」がはじき出した計算結果だ。が、「シンギュラリティ量子コンピューター」とその計算結果は、私の研究を危険視したCIAによって破壊され持ち去られてしまった。
それでも、私は確かに目撃したのだ。目撃し、かつ鮮明に記憶しているのだ。そのこと自体が、おそらくは神の思し召しなのだ。
こんな反論も受けた。「百歩ゆずって君が嘘を言っていないとしよう。だとしたら、君は狂ってる。君の狂った頭が偽の記憶を生み出したんだ」。しかし、そんな悪魔の囁きで私の確信は揺らがない。そんなことを言い出したら、不完全性定理も、不確定性定理も、グリムの定理もわずか5秒前に埋め込まれた偽の記憶かも知れないだろ? そんなものをマジで信じてるってか? 5秒前の君は、マジで信じる5秒前ってか?
実際、このような社会的常識や科学的真理を傘にきて我々の信仰を躓かそうとする偽預言者の出現も「シンギュラリティ量子コンピューター」の計算結果は示唆していた。諸君、ペシミスト無神論者の戯言に惑わされず、真に至高の存在へと我々は突き進もうではないか。精神的に向上心のないものは馬鹿だ(爆)


※ギャグです。賛同しても僕のところに来ないでください。でも、多額のお布施を出すというなら、ちょっと考える。